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退職後の傷病手当金の受給可否
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A
私は、現在体調を崩し、健康保険から傷病手当金を受けています。回復しそうもないため、
退職を考えていますが、退職後も傷病手当金はもらうことができるのですか?
〇回答
一定の要件を満たしていれば、受給できます。
★要件
資格喪失の日の前日まで(要は退職日)被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者資格を失ったときに現に傷病手当金を
受けているか、支給を受ける条件を満たしている場合は、受けることができます。
舟木事務所からのコメント
退職後の傷病手当金の受給可否は、よく聞かれる質問です。
一定の要件があることにご留意ください。 - Q
出向者しかいない会社の就業規則
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A
質問:当社は子会社で、社長も含め全員出向者なのですが、就業規則の作成は必要ですか?
●回答
はい、必要です。労働法は、その「場所」に適用されるため
そこの場所で労働関係があるのであれば、労基法が適用されます。
よって、10名以上の出向労働者がいるのであれば、就業規則を作成し、所轄の労基署に届け出てください。
なお、社会保険は労災保険が適用されますので、保険関係成立の手続きも必要です。
舟木事務所からのコメント
労働法は「場所」ごとに適用される、ということはよくご質問を受けるケースです。
税金や社保と異なるところなので、注意が必要です。 - Q
労災ではなく健康保険を使ってしまった場合
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A
質問:通勤途中に転んでけがをしたが、健康保険で治療してしまいました。労災に後から切り替えることはできるのですか?
回答:はい、もちろんできます。健康保険で治療費の一部を支払っている場合は、 いったん医療費全額を支払った上で、 労災保険に請求することができます。 加入の健康保険組合又は協会健保へ労働災害であったことを報告し、医療費返納の通知と納付書が届いたら金融機関で納入してください。
療養補償給付たる療養の費用請求書(業務災害であれば様式第7 号( 1)、通勤災害であれば様式16号の5(1)) に所定事項を記載した上、事業主と診療した担当医師の証明を受け、 返納金の領収書と病院の窓口に支払った窓口一部負担金の領収書を添えて、 事業場の所轄の労働基準監督署へ提出し費用を請求して下さい。
なお、 健康保険から給付された医療費の返納に伴い、 健康保険への返納が難しい場合、請求人に多大な経済的負担が生じることも少なくないことから、健康保険に対する返納が完了する前であっても労災保険へ請求できます。
また、労災認定された傷病等に関し、健康保険等への返還が必要となる場合に、返還を行う被災労働者等の負担軽減を図るため、労働基準監督署の健康保険の保険者間でやりとりしてくれるという新しい手続きもあります。舟木事務所からのコメント
通勤災害を誤って健康保険で治療する、というケースはときどき見かけます。立て替え額が多額になったときに知っておくとよい手続きですね。 - Q
副業を制限していいのですか?
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A
●質問
私は、会社を経営しています。先日、社員の1人から副業をしたいと申し出がありましたが
今の時代、副業を制限できないと思うのですが、制限できる場合もあるのですか?
●回答
副業を希望する人は年々増加しており、能力向上にもつながるため企業は認める方向です。
ただし、次の場合は副業も制限できるとされています。
① 労務提供上の支障がある場合
② 業務上の秘密が漏洩する場合
③ 競業により自社の利益が害される場合
④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
これらに該当するのか否か、従業員の方とよく話し合ってみてください。
- Q
労働条件明示のルールの変更に関して
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A
●質問
当社では有期雇用労働者との契約更新を6か月の契約期間で毎年1月に行っております。
制度改正で令和6年4月1日から労働条件明示のルールが変わりますが、改正前の1月の契約更新の時から
労働条件の内容を変更しなければいけませんか?
●回答
1月時点では改正前なので変更の必要はございません。
改正後の最初の更新時から変更すれば良いです。
なお、無期転換に関する項目の明示は、無期転換ルールに基づく
無期転換申込権が発生する契約の更新時の明示で足ります。
労働条件明示の制度改正に関しまして詳しくは下記URLよりご参照ください。
- Q
出生時育児休業の取得日数について
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A
●質問
会社で出生時育児休業を取得する男性社員がいます。本人からは31日休業の申出書が提出されました。
途中3日間、たまたま以前より予定している出張があるため勤務予定です。この場合、給付金は全日支給されますか?
●回答
出生時育児休業の給付対象期間は最大28日間です。会社への申出は2回まですることが出来ます。
今回の場合、申出を2回に分けて①開始日~出張前日、②出張終了日翌日~終了日、とすることで
全日給付金申請出来ると考えます。
なお、申出は2回まとめて申出が必要です。
- Q
副業している社員の休日
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A
●Question
当社は副業を解禁にしています。先日、ふと疑問に思ったですが、土曜日と日曜日に副業している者については
休日も勤務しているので休んでいないことになります。これって、違反なのでしょうか?
●Answer
違反ではないです。労働基準法第 38 条第1項により通算されるのは労働時間に関する規定であり、
休日に関する規定は通算されないため、労働者が自らの事業場の法定休日に他の使
用者の事業場において副業・兼業を行った場合においても、自らの事業場における
法定休日は確保したことになります。ガイドラインにも当該記載がありました。
舟木事務所からのコメント
副業、兼業は最近よく質問を受けます。細かいところがいろいろ迷いますね。 - Q
学生アルバイトの社会保険加入について
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A
●質問
学生アルバイトが社会保険(健康保険、厚生年金保険)の被保険者になることはありますか?
●回答
はい、あります。
1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が
同じ事業所で同様の業務に従事する一般社員の4分の3以上である場合は、
学生アルバイトであっても被保険者となります。
特定適用事業所でも一般の適用事業所でも要件は同じです。
※特定適用事業所とは、1年のうち6月間以上、適用事業所の社会保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が101人以上となることが見込まれる企業等のことです。
なお、令和6年10月から101人以上→51人以上となります。
ただ、特定適用事業所の場合
1週間の所定労働時間または、1月の所定労働日数が一般社員の4分の3未満であっても、
下記a~dいずれかに該当する学生で、(1)~(3)の要件を満たすと、被保険者となります。
a.卒業を予定している者で、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ事業所に勤務する予定の者
b.休学中の者
c.大学の夜間学部および高等学校の夜間等の定時制の課程の者
d.その他これら準ずる者
(1)週所定労働時間が20時間以上であること
(2)所定内賃金が月額8.8万円以上であること
(3)2ヶ月を超えて雇用される見込みがあること
- Q
月60時間を超えて支払った残業代で月変!?
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A
●質問
当社は中小企業です。2023年4月からの法改正で月60時間を超えた法定時間外残業に対して50%の割増率を支給することは知っています。この割増率で支払ったことにより社会保険の標準報酬が2等級以上上がった場合、随時改定(月変)の対象となるのでしょうか??
●回答
はい、随時改定の対象となります。
今回のケースは、「非固定的賃金が新設されたことによる賃金体系の変更」に該当し随時改定の対象となります。この場合、新設された月=起算月となり、以後続く3か月のいずれかの月において50%割増の残業代が支給されていて、標準報酬に2等級以上の変動があった場合、随時改定の対象となります。
参考:標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集
〇随時改定 問7-2
- Q
月60時間超の時間外労働に休日労働は含む?
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A
●質問
令和5年4月1日から中小企業でも月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率が50%に引き上げられますが、
その時間外労働時間60時間には休日労働の時間は含まれますか?
●回答
休日労働には、①法定休日(毎週1回の休日のこと)②法定外休日(①以外の休日のこと)があります。
時間外労働時間に含まれるのは、②法定外休日の労働時間のみで、①の法定休日に労働した時間については含まれません。
36協定もそうですが労働基準法は、時間外労働と休日労働を厳密に区別してカウントすることとしていますので、
法改正により割増賃金率が多様化するのでお気を付け下さい。
なお、割増賃金率50%は月の時間外労働時間の60時間超の部分に掛かるものです。
60時間以下の部分については、今まで通り25%となります。
厚生労働省からのリーフレットはこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/000930914.pdf
詳細につきご不明な点はお気軽にお問い合わせください。