- Q
当社には「出向者」のみ30名いる会社だが、この場合も就業規則を作成しなくてはいけないのか?
-
A
はい、この場合も作成が必要です。
就業規則は、「常時」労働者が「10人」以上となった場合に
作成および所轄の労働基準監督署への届出義務が生じますが、この
人数に出向者はカウントされます。通常、出向者は雇用保険は出向元で加入しますので、何か違和感を
感じますが、出向先では「使用されている」となり、労働者となるため
常時使用する…という人数に含めることとなります。なお、衛生管理者や産業医の選出義務のある事業所で「常時50人以上」とありますが、
この人数にも出向者が含まれることを申し添えます。 - Q
海外での労災について
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A
業務上の怪我や病気に対しては、労災保険の給付は行われます。
舟木事務所からのコメント
社員が海外で就労する場合、大きく①海外出張、②海外派遣の2つに分かれます。このうち、海外出張は特別な手続きをとる必要なく、労災保険の給付を受けることができます。
一方、海外派遣とは海外の事業場に所属して、その事業所の使用者の指揮に従って勤務することをいいます。海外派遣は、労災保険の特別加入の手続きをとっておかないと、給付がされませんので注意が必要です。
海外出張と海外派遣の違いは、次のようになっています。
《海外出張の例》
商談、市場調査、視察、見学など
《海外派遣の例》
現地法人への出向、海外支店へ転勤、海外で行う建設工事に従事など - Q
健康診断の結果は何年保存するのか?
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A
5年です(安全衛生法施行規則51条)
舟木事務所からのコメント
他にも労働関係の帳票には、保存期間がありますので、ご注意ください。主なものをあげると、次のとおりです。
健康保険・厚生年金資格取得確認通知書→2年
〃 喪失確認通知書→2年
雇用保険に関する書類 → 2年
雇用保険の被保険者に関するもの→ 4年
賃金、労働者名簿などの書類→3年
退職金に関するもの→ 5年 - Q
役職者に対する割増賃金の支払い
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A
その条項が直ちに「違法である」とまではいえません。
舟木事務所からのコメント
労働基準法では「管理監督の地位にある者」に対して深夜割増を除き時間外や休日勤務手当の支払を適用除外しているからです。
ただし、ここでいう管理監督者とは、「労務管理について経営者と一体的な立場にある者」をいいますので、御社の課長が実質的にどうなのか、が重要になります。
課長という名称で判断するのではなく、(1)職務内容、(2)責任と権限、(3)勤務態様、(4)待遇等を総合的に勘案して判断して下さい。
- Q
健康診断はアルバイトも含め全員に行うものなのか?
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A
その者の所定労働時間が正社員の4分の3以上あれば、受診義務があります。
舟木事務所からのコメント
所定労働時間とは、労働契約書や就業規則で定められた時間のことです。
例えば、1週40時間勤務する会社であれば、30時間以上勤務するパート等に対して健康診断を受診させなければなりません。 - Q
アルバイトの社会保険加入について
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A
その人の勤務時間等により判断します。
舟木事務所からのコメント
労働契約書等で定めた「所定労働時間」が、その事業場の正社員と比べて4分の3以上であれば、健康保険、厚生年金、雇用保険等すべて加入させなければなりません。
また、週の所定労働時間が4分の3未満であっても、週の所定労働時間が20時間以上であり、なおかつ、31日以上雇用される見込みがあれば、雇用保険の加入義務があります。 - Q
何かミスをしたら罰金500円とすることは許されるか?
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A
本件は、労働基準法上の≪賠償予定の禁止≫に抵触するため、できません。
舟木事務所からのコメント
同法16条は 『使用者は、労働契約の不履行についての違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない』と規定しています。
そのため、1回のミスにつき“あらかじめ500円”と損害額を定めることは本条違反と考えられています。
ただし、あらかじめ損害額を決定せず、生じ損害に応じた金額を賠償請求することまでは規制されているわけではありません。(昭和22年9月13日発基17号)
また、使用者には懲戒権もありますので、事案に応じて減給などの制裁措置をとることもできます。 - Q
任意継続被保険者の傷病手当金について
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A
平成19年4月からは任意継続被保険者に対する傷病手当金の支給はなくなりました。
ただし、一般の被保険者の資格喪失後の継続給付として、条件を満たしていれば傷病手当金を期間が満了するまで受けることができます。舟木事務所からのコメント
≪条件≫
1、資格喪失の日の前日まで被保険者期間が継続して1年以上あること
2、被保険者の資格を失ったとき、傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしているこ と
被保険者期間が現職で1年間無かったとしても、前職での被保険者期間(協会けんぽや健康保険組合に本人が加入)と1日の空きも無ければ通算することも可能です。 - Q
通勤災害の認定について
-
A
本件は、通勤災害と認定される可能性が高いといえます。
舟木事務所からのコメント
通勤災害については、労災保険法第7条で定義されており、「…住居と就業の場所との間を、合理的な経路および方法により往復することをいい…」とされています。
そこで、社員Aが子供を保育園に預けるためにとった通勤経路が合理的なものかどうかが問題となります。
「合理的な経路」の意義について行政通達では「…共稼ぎ労働者などが託児所、親せき等に子どもを預けるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められる」(昭和48年11月22日付け基発644号)と解されています。
従って健康保険ではなく、労災保険を使って治療をするようにしてください。 - Q
64歳以上の高年齢労働者の保険料はどうなっているの?
-
A
保険年度の初日(4月1日)に64歳以上の被保険者は雇用保険料が免除になります。
ただし、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者及び、任意加入の高年齢者は対象にはなりません。
舟木事務所からのコメント
平成29年1月1日からは、65歳以上の方も雇用保険に加入するようになりました。
よって、平成31年度からは高齢者も雇用保険料は徴収されるようになっていきます。